もう２０年以上前、旅行先のトルコで奥さまとベリーダンスのショーを観に行った。主に外国人観光客が観に行くような店だったが、テーブル席のステージに近い方から半分を日本人の団体客が座り、後方には確か ドイツ、イタリア、スイス、韓国 からの観光客が座っていた。ショーは最初にベリーダンス、後半がバンドによる歌謡ショーの２部構成だったが、ベリーダンスが終わると日本人の団体さんは帰ってしまい、客席の前半分が空いた状態で歌謡ショーが始まった。すごく楽しいショーだったが、最後にはマイクを各テーブル席に回して、バンドの演奏で観客の国の歌を一緒に歌うメドレーで盛り上がった。
ドイツ人のグループもイタリア人のグループも肩を組み胸を張って歌ってたし。スイス人はアルプスっぽく歌い、韓国はアリランアリランと高揚したオバサンが立ち上がって踊り出した。最後に回ってくる日本は奥さんと僕だけ。
その時思ったんだ。日本代表なんだから大声で歌ってやる。だけど日本を代表する日本人みんなが歌える歌ってなんだろ。外国にはあるのに日本にあるのだろうか。流れてきたイントロは 滝 廉太郎の「花」。唄えた歌詞は 『春のうららの隅田川 のぼりくだりの船人が 櫂のしづくも花と散る』 までで、後はバンドにまかせた。悲しかったし悔しかったな。それからだろうか、愛国心を持つことが大切だと思うようになったのは。
